前回の中国仕入れでとっても味わいのある仏像を見つけました。
全体の作風からするとB級品かもしれませんが、表情が柔らかく一つ一つがすべて個性のあるお顔なのです。
迷宮市場
中国での仕入れに慣れてくると、だんだん知らない場所へ行きたくなります。
慣れてきた時が危ない、といつも自分に言い聞かせていますが、僕の好奇心は止まりません。
初めて行ったときは、本能的に「これから先へ行くとやばいかも・・・(-“-)」という感がする場所には行かないようにしていました。
その地域の入り口付近に近づくと、両腕が無い人や醜くただれた顔・・・死人のようにうつぶせでじっとしている乞食同然の老婆・・・などなどがいて、物乞いをしている人たちがいます。
周りでは何やら屋台が出ていますが、匂いがきついです・・・
人と人がぶつかっても平気です。
そして話し声も大きく騒がしいです。
その雰囲気は僕も慣れました。
※この光景を画像で紹介できればリアルなのでしょうけれど、写真を撮る気になれませんでした。なによりそこで写真を撮っている人は絶対に中国人ではないことがバレバレですし。
いつスリにやられるかわからないので、いつでも゜ダッシュで追いかけられるように靴紐を強く結び直します。
そして、震度4くらいの揺れが来たらすべて潰れるんだろうな・・と思われるような天然石市場を見て回ります。
そう、中は完全なるダンジョン(迷宮)です。
どこに出るかわからないわくわく感があります。
中国に行って「よい」と思うことは、2日もすると「なんとかなる」とか「考えても仕方ない」という、良い意味でのいい加減さが身についてくることです。
出たとこ勝負は生きていく上で必要だと思いますね。
迷宮市場での買い付け
そんな迷宮市場ですが、中で天然石を売っている人たちは生きていくために必死です。
呼び止められ、声を掛けられたりするわけですが、おのずとこちらも真剣になります。
観光的な見方ではなく、「真剣に必要なものを探しているんだぞ」という態度で見て回るのが礼儀ではないか、など勝手に思ってしまうわけです。
今自分が、どのあたりを歩いているかわからないくらい歩いてゆくと、少し開けた広場のようなところに出ました。
横を見ると上半身裸でせっせと商品の整理をしている男性がいます。
その周りにはたくさんの手彫り仏像がたくさん並べられてありました。
それを手に取った時「ビビ!!」と来たのです。
観音様のお顔がなんと優しいことでしょう。
この地で働く方には申し訳ないのですが、この環境には似つかわない穏やかさを感じたのです。
大袈裟ですが、このために来たのかも・・と思ってしまうほどでした。
どうやら整理している男性が作っているわけではなく、それを彫っている方から買っているようです。
のちにウイチャット(中国版日本のLINE)で友達申請すると、彼の画像には綺麗な奥さんと男の子が写っていました。そんなところでも、それぞれの生活があるのだと思わずにはいられません。
この仏様は、素掘りのため空輸ができないのでスーツケースに入れて持って帰ってきました。長く保存できるように、こちらでニスなどを塗ろうかとも思ったのですが、やはりそのままのほうがいいような気がしたのです。
この仏様には、物としての寿命があったほうがいいと思えるのですね・・・なんとなく。
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