人との出会いというものは、その人との体験を通じて「何を学ぶか」という側面があると思います。
そして、必要な人との出会いはベストのタイミングなのです。
あるお客様
お店をオープンして1年くらいたった頃、ある夕方に小柄な中年女性が足を引きずりながら入店されました。
実はLさんだけではなく、INORIはたくさんの方に精神的に支えられて今日があります。 【読者登録】 ※記事へのコメント欄はもっと下にございますので、そちらからお願いいたします。 エラー: コンタクトフォームが見つかりません。
体が不自由であることはすぐにわかりました。
それからも定期的に来られるようになり、いつも大小いろいろな天然石ビーズを20-30個買って帰られます。
そしていつしかその方と話をするようになりました。
ご自身もお身体が不自由で障害者ではあるのですが、その方は障害者が働く施設でそのような方たちを指導する仕事をしているとのことでした。
アクセサリーを制作する指導で、製品の創作に天然石を使った作品を考えておられるそうなのです。
その材料にINORIの石をお買い上いただいていたのです。
何度目かのご来店のある日、その方の身の上話を聞かせていただくことになりました。
その方のお名前をLさんとします。
Lさんは生まれた時から障害を持っておられたそうで、小学生の4年生くらいまで両手両足がまともに動かなかったらしいです。
自分のことを自分ですることが出来ず、いつも誰かの介護が必要な状態だったと言います。
両親はLさんが幼いころに離婚して父親と二人で暮らしていたそうなのですが、少学5年生の頃お父さんが再婚したのです。
新しい母が来てくれて、これからは明るい生活になると期待するも・・・
それは全くの逆でした。
義理の母からのいじめが始まったのです。
いじめというよりは虐待です。
それからの事の詳しい経緯はわかりませんが、結局Lさんは両親から離されて施設で暮らすこととなりました。
その施設は、障害を持つ子が多く居るようなところだったようです。
そこで何年か経つうちに、同じ障害の男性と恋をし結婚しました。
Lさんはその後4人の子を持つ母となります。
しかし、手足が不自由なLさんがどうやって子供を育てることができたのでしょうか?
それを聞いてみると、Lさんは笑いながら答えてくれました。
Lさん「そうねぇ、ホント大変だったわ。手がうまく動かないからほとんど口を使って何でもやったわ。おむつ替えから母乳をあげることまでね」
僕 「口を使ってって・・でも限界はおありでしたよね・・?」
Lさん「もちろん旦那の手伝いはあったわよ」
Lさん「でもね・・・不思議なのよ」
「子供の頃は、自分では全く何もできない体だったのに、子どもを育てるようになってからは、『生きなきゃ!』『育てなきゃ!』ていう必死の思いがね、だんだんと体が動くようになってくるのよ」
そうして今のような体にまで動くようになったわ。
子供に逆に感謝よね。
それに1人目の女の子が大きくなってくると、その子が下の子の面倒を見てくれるようになるからだんだんと楽になったわ」
と言って笑っておられました。
僕はその時期のLさんの壮絶な努力を想像すると笑うことなどできませんでした。
ただただ感動と敬服ばかりです。
実は当時のINORIはオープンしてからまだ日も浅く、お客さんが全く来ないで経営難から食べていけない時代でした。
毎日毎日悩み、途方に暮れていました・・・
そして真剣に自己破産の手続きを調べていましたね。
そんな時Lさんが僕のお店に来られたのですが、Lさんの体験を聞くにしたがい、今が苦しいなんて自分はなんて甘い考えをしていたんだと恥ずかしくなりました。
偶然ではなく必然
今思うと、そのような方々が店に来てくれたのは「たまたま」や「偶然」ではなく必然だったのだな、と確信しています。
「出会い」は本当はそのような性質のものなのだと思います。
日々誰にも起こっていることなのです。
人との出会いは本当にベストタイミングで設定されています。
「一瞬遅すぎず、一瞬早すぎず」
です。
そして不思議なことに、その出会いによって自分が何かを学び成長できた時にそれらの方々は消えてゆかれます。
僕の場合は、いつの間にか「気づきを与えてくれる方たち」がぴたりと店に来られなくなるのです。
まるで僕が学び終わったら「はい、私たちの役目はおしまいね」と言うように。
Lさんの話にはおまけがありまして・・・
Lさんが子育てがある程度おち着かれた頃、阪急線のY駅で旦那さんが自転車屋さんを開業されたのです。
実は僕も以前Y駅に住んでいたことがあり、そのお店でなんと、自転車を買っていたのです。
なんか、どこかでつながっていたのですね・・・
その時はわからなくても、その時の「出会い」がこれからの物語の布石を作ってくれているのですね。
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