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車に憑いた霊

   これは僕が今の仕事をする前に体験した話です。
僕自身はあまり霊的体験をすることが少ないので、この体験はとても奇妙な出来事でした。

当時は学習塾で仕事をしていて、帰りは午前を超えるのが当たり前なので毎日の通勤は車でした。

相場より安い車には理由がある

そうなのです。
相場より安い車は注意せよ、ということはわかっていたのですが・・・

僕は勤務先が遠かったこともあり、1年で3万キロ走っていましたから中古車を乗りつぶして回していました。
中古車を選ぶ条件はまず、走行距離が少ないものです。

そして一目で気に入った車がありました!
色は黒。
2400CCでスポーツクーペ。
天井部分がボタン一つでスライドして開く仕様になっています。
エアロパーツもついていて、ちょっとした走り屋風の車です。

今なら時代遅れのダサい車ですが、当時はそのような車はまだよく走っていたものです。

ただ・・・気になったのは値段です。

安すぎるのです・・・・

完全装備の上、走行距離が「3000km」です!!
ほとんど走っていない・・・
いわゆる「新古車」のようなものです。しかし、そんなに新しいタイプの車でもありません。

ずっと以前は、タイヤを逆走行させて走行距離をごまかす、などという悪質な業者もいましたが、その業者はそのようなところではありません。

走行距離が3000kmで1人オーナー。それでこの価格・・・おかしい・・・

そこで、「この走行距離間違いないですか?」と担当者に確かめました。
担当者は、初めて気が付いた様子で
担当者「あ・・確かにそうですねぇ・・・ちょっと調べますね」

担当者も車両価格の表示が間違っているかもしれないと思ったようです。

すぐに事務所から分厚い書類のファイルを持ってきました。
展示車両のさまざまな情報が載っているもののようです.
それを見ながら担当者は答えます。

担当者「そうですねぇ・・・走行距離に間違いはありませんねぇ・・・
あと、事故車でもありません。事故履歴はないようです。」

僕が一番気にしていたことを察したようです。
それなら、ということで契約に入ったのですが、実は、その担当者自身も釈然としない感じていた様子がうかがえました。

でも、実際に乗ってみるとその時の不安はすぐに消し飛びました。
良く走る車で快適なのです。
何も問題はありませんでした。
毎日の通勤が楽しみになった程です・・・

そう、3か月くらいまでは・・・

怪奇な現象

いつからでしょうか・・・
走っていると、小さな音でコンコンとノックをするような音が聞こえて来るようになったのです。

ボディを軽くたたく音。窓ガラスを軽くたたく音・・・と言えば感じは分かってもらえるでしょうか。
それは昼でも夜でも時間に決まりはありません。
頻繁に、というわけではないのですが気になります。

初めはトランクの中で何かが当たってそんな音がするのだろう、と思っていましたが、調べてもそのような原因は見当たりません。

おかしい・・・何だろう・・・

でも、機械音ではないし「ノックの音」だから車に異常はないだろう、と思って放っておいたのです。

それからしばらくして、いつも給油しているガソリンスタンドのメンバーと飲みに行く機会がありました。
4日に1度は給油していたもので、彼らとすっかり友達になっていて、ある日、「飲み会をやりますが一緒にどうですか?」と誘われたのです。

お酒もまわり、話も盛り上がってきた時に、若いバイトの女子が僕にこんなことを言ってきました。

女子「私、霊感があるんですけどぉ・・・河野さんて『いつも誰か横に乗っけてます』よねー」
河野「えっ? どういうこと?」
女子「うう~ん・・・男か女かはわからないんだけど、いつも誰かいるんです。」
河野「へぇ~。じゃ、今度話しかけてみようかな(#^.^#)」
などと、僕はあまり本気でとらえていなくて軽いノリで返していました。

そんなことも忘れかけていたある日の事。

職場に新しい事務の女性Bさんが来たのです。
とても優しそうな主婦の方です。
そして、その方の歓迎会の場でこんな会話がありました。

事務の女子1「そういえばBさんてね、『見える・聞こえる』の霊感のある人なんだよ~」
Bさん「え・・ええ。子供のころからそんな感じで・・・困ることもありました」
河野「・・・そうなんですか?」
Bさん「はい。でも、あえて意識をそちらに向けないようにしているから大丈夫です。」

そこで、僕は前に言われた「いつも誰かが乗っている」を、思い出して聞いてみたのです。

河野「たとえば、車の中に霊がいたとして、それを見たりは出来ますか?」
Bさん「ええ・・たぶん・・。
でも、もうそういうことはしなくなりました。
見たことを言えば、たいてい皆さん車を処分されるんです。なんか申し訳なくて・・・」
河野「Bさん!一度僕の車を見てもらえませんか。
どんな結果になってもBさんが申しわけなく思わなくていいです。大丈夫ですから!お願いします。」
Bさんはしぶしぶ承知してくれ、車を「霊視」してもらうことにしました。

次の日の昼休み、僕たちは職場の地下の駐車場に置いてある黒い車のそばにいました。

河野「この車なんだけど・・・どうですか? な、何か見えます?」
Bさんは真顔になり、静かに車の周りをゆっくりと歩いて行きます。

しばらくじっと車を見つめていて、何か考えている様子です。

しかし急に笑顔になって言います。

Bさん「河野先生!大丈夫ですよ。 何も映っていませんから心配ないです。」

まぁ、気にしてなかったとは言え、Bさんの口からどんな言葉が出て来るのか、と、ちょっとドキドキものだったのです。(-_-;)

Bさんにお礼を言って、その場はそれで終わりでしたが・・・
1週間ほど経ったある日の事。
嬉しそうな顔をした事務員の女子が、僕にこんなことを言うのです。

事務の女子1「聞きましたよぉ~河野センセ!」
河野「何がだよ」
事務の女子1「河野先生の車って凄いんですってね~!」
河野「ああ、ちょっと走り屋風でカッコいいだろ?この年でなんだけど、結構気に入って・・・」
事務の女子1「違いますよ!!」
河野「えっ?」
事務の女子1「車の中のユウレイの話です!」

なんだこいつは!幽霊と言いながらやたら嬉しそうじゃないか! まぁ、この軽いキャラはもともとだけど・・・(-_-;)

河野「幽霊って、何?」

そこでその女子は、ハッっとした顔つきになりました。
どうやら、僕がすでに知っていると勘違いして、まずい事を話してしまった事に気が付いたようです。

事務の女子1「あ・・いや・・いいんです。(汗)何でもありません。じゃ、そういうことで~(#^.^#)」
と言って逃げようとするところを「こら、待て!」と捕まえて問い詰めてやりました。

Bさんに霊視をしてもらった翌日、女子事務員たち数名が一緒にランチをしたらしいのです。
そこでBさんから聞いた話がこうです。

Bさん「昨日、河野先生から先生の車の霊視を頼まれたの。それがさぁ・・・凄かったのよ・・・(涙)
助手席に・・・女性の血まみれの顔が・・べっとりと張り付いていたのよ!!
・・髪の毛も振りみだして・・・ああ・・ダメ・・思い出したくない・・・」

河野「・・・・(-_-;) ま、マジか・・」
事務の女子1「・・マジっす・・・」
やかましいわ。
しかし、事故車じゃないと言ってたぞ。どういうことなんだ!?

いわくつきの車だとは分かっていても、自分では結構気に入ってたんですよ。
結構走るし。

気になるノックの音はそれからも続きましたが、原因がわかってしまうと、車両のトラブルではない、という逆に安心してしまって・・。
そんなことで、1年くらいはそのまま走ってました。
その間、事故にあいかけたりということもなかったのです。

そんなある日、このブログでも何度か話に登場している、昔からの友人である霊能者の由紀子さんと話をする機会がありました。
それで、話のついでに今回の事を聞いてみたのです。

 真 相 

まず、霊がいると言われる車の画像を見てもらいました。
※東京在住の方なので、PCと電話を通しての会話です。

霊能者はじっと黙ってそれを見ているようです。
河野「どうですか? 車に何か映っています?」
由紀子「河野さん?これ、誰も乗っていない写真送っていますよね?」
河野「はい。そうです。」
由紀子「しっかりと女の人がいますよ。その人が乗っている画像を送ったのかと思いました。」

河野「・・・・(-_-;)」
さすが由紀子さん・・・しかしなぁ・・・・

由紀子「河野さんが聞かれたように、この女性はここで亡くなっていますね」
河野「でも!・・・販売業者は事故車じゃない、言ってたのに!」
由紀子「・・・・・・・・・」
河野「由紀子さん?どうかしましたか?」
由紀子さんはなぜか無言になっています。
由紀子「・・・・はい・・・事故車ではありません・・・」
河野「事故車じゃないって?」
由紀子「・・・・ここで・・殺されています。

河野「・・・・・(-_-;)」



車の走行距離も多くなっていたこともあり、結局その車は手放すことにしました。

手放すときにふと考えたのです。
車内で殺人事件があったとして、それは解決済みなのだろうか・・・
もし迷宮入りの事件だとしたら、何らかの情報を提供すべきではないだろうか・・・と。

いろいろ考えたのですが、警察に行くことは辞めました。
警察に行って何を言うのでしょうか。
霊能者に霊視してもらったら血まみれの女性がいて、彼女はここで殺されている、と?
本気にはしてもらえないでしょう。
車を処分する前に、日本酒をかけてお経を唱え、形だけかもしれないけれど供養させてもらいました。


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