前回、店を移転してから子供たちが多く来てくれるという話をしました。
今日もまた、新しい男の子がおばあちゃんと一緒に遊びに来てくれました。
フローライト
男の子は小学3年生くらいだと思います。
お買い上げ後、10分くらいたったときでしょうか。 あれは僕の子供がまだ小学1年生くらいの時だったと思います。
「えっ?」
大好きな石の店を見つけて、おばあちゃんにおねだりをするために連れてきたのかもしれません。
男の子は長い間石を選んでいました。
そして決めたのが「フローライト」のポイント(細長い形状のもの)です。
展示会でも人気のフローライト。
二人が店に戻ってきました。
男も子は今にも泣きそうな顔をしています。
話を聞くと、男の子はフローライトを買った後、すぐにも袋から開けてそれを手に取って見たかったのでしょう。
袋から出したときに手が滑って地面に落としてしまったのです。
細いフローライトは見事に割れてしまいました。
買って10分で真っ二つ・・・
おばあちゃんは「・・あのう・・これって、接着剤でくっつけても大丈夫なものでしょうか」
と心配そうに聞いています。
購入の時に、フローライトの効能をいろいろ聞いた後だったから、割れてしまったらそんな効能もなくなるのではないかと思われたのではないでしょうか。
その時、ふと昔のあることが思い出されました。
親切な店長
家族3人で神戸の「神戸国際展示場」へ行った時の事です。
何のイベントで出かけたのか忘れました。
当時はミニ四駆が流行っていましたから、それの大会に出場したのかもしれません。
お昼に、展示場内にあるレストラン「マリーナスクウェア」で食事をとることにしたのです。
あの頃は簡単なバイキング方式になっていて、いろんな肉や野菜がたくさん並べられてあり、好きなものを好きなだけプレートに盛り付けるのです。
そして内容を計算して料金を支払うシステムでした。
3人ともおのおの好きなものをお皿に並べてテーブルに着きました。
さあ、食べようか、という時に・・・
がちゃーん。
子供がコップに入った水をお皿の中にひっくり返してしまったのです。
盛り付けた肉は水の中で泳いでいます。
サラダはべちゃべちゃ・・・(泣)
でも、仕方がありません。
子供のよく「あるある」です。
ライスは無事だったので、食べれそうな肉とポテトだけ取って僕のプレートと交換しました。
少し水っぽいお肉と思えばよいのです。
すると、店長らしき人がやって来られて
「こちらをどうぞ」
と、肉と野菜が乗っているプレートを差し出してくれたのです。
どうやら僕たちの一連の出来事を見ていたようなのです。
僕は、子供の量では足りないから追加で何か買ってこなくては、と思っていたところだったので、そんなお気遣いには驚いてしまいました。
帰りには何度もお礼を申し上げて、とても良い日を経験させていただいたのです。
・・・・・・・・・・・・・・・
男の子には新しいフローライトを渡しました。
男の子は「壊れたものも捨てられたくないので、これももらってもいい?」
と聞いてきました。
10分ほどなのに、自分が手にした石に、もう愛着が沸いてくれたんだと思うと嬉しくなって
「はい、どうぞ」
と手渡しました。
自分にしてくれたことをただお返ししただけ、なのです。
この記事へのコメントはありません。