火曜日、毎日放送で午後10時から放映していた「対岸の家事」、これはぜひ男性に見てもらいたいドラマです。
専業主婦という立場から見える様々な社会の偏見とそれに悩む女性の姿。
そして、人として大切なものもさりげなくテーマ化している内容です。
NHKスペシャルのように深刻過ぎず、ドラマにありがちな現実れした軽さもありません。
話の終わりには、ほんのりと心が温まります。
自分は何もわかっていなかった
今の天然石の仕事に転職して、よかったと思う事が二つあります。
一つは「自己破産を覚悟したほどのド貧乏の経験をしたこと」と「主婦の立場が理解できた」ことです。
後者の事について僕が感じたことを書いてみたいと思います。
今は男性も育休が取れる時代になり、家庭の仕事に夫が理解できるようになりましたが、しかしそれとて現状のところは、まだまだ浸透している状況ではないでしょう。
ましてや僕の時代は、女性がどんどん社会で活躍する時代へと変わって来る移行期にあった時です。
働く女性と家庭の両立でかなり神経をすり減らしていた方々も多いのではなかったかと思います。
家内は、INORIのママさんとしてお客様のお話をずっと聞いています。
しかし自然と話は聞こえてきます。
僕は男ですし、会社という組織で長い間働いてきましたから、「男性社会のいろいろ」については大体想像はできます。
これはたぶん僕だけではないと思います。
男性は男性で、会社ではストレスの塊です。
自分が以前そうであったように、子育ては夫婦で向き合っていくのが当然なのに、いつしか「任せっきり」になってしまっていました。当然軋轢(あつれき)が生まれます。
今の店は、お客様の7割が女性です。
土日は男性もよくご来店いただけるようになりましたが、やはり「アクセサリー」というイメージからか、女性のお客様が多いです。
家内がお客様の相談をしている間、僕は出来る限り空気のような存在でいようと気配を消すことに徹しています。
お客様が他に気にすることなく、ご自身の心の中を話してほしいからです。
しだいに、女性の立場、価値観、生活ぶりが分かるようになったのです。
職場での人間関係について、旦那様との関係、ご近所付き合いのお悩み事、健康について、子供の教育や子育てについて、ご両親の介護、近所でのトラブル・・・などなど。
しかし、主婦の立場については、知っている「つもり」でいただけで実は何も分かっていなかったのですね。
ご夫婦で争いがあるとき、お互いの立場の価値観に大きなずれがあることが原因だと思います。
社外でも社内でも「競争」ですから。
家庭を養い守っていくために真剣です。
そんな環境で、心を家庭に向けるゆとりを持つことが出来ないこともあると思います。
そういった、どこの家庭でもありそうな「役割に対する不平感」も、このドラマでは取り上げられています。
あと、親子の感情のもつれとか。
お互いがどのようにすり寄っていけるのかが最も難しいところではありますが、それを上手にまとめているところがこのドラマの気持ちの良い終わり方でした。
Tverでも何回目かの放送は無料で見られると思いますよ。
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