探していた昔の味というのは、ヤキイモです。
子どもの頃食べた、軽トラで売っている石焼き芋の味はなかなか出会えない・・・
そのうちいつかまた・・・と思っていたのです。
貧しかった子供時代
うちの両親は、僕が物心つく頃からずっと共働きでした。
僕が小学1年生頃のある日のことです。
数日後、何がきっかけだったのか忘れましたが、僕がうっかりその秘密を母にバラしてしまったのです。
たかがイモですが、売っている屋台のものを買うのですから、ウチにとっては贅沢なものです。
あれから大人になって、たまに軽トラックで売っている焼き芋を買うのですが、あの頃と同じ味のイモに出会うことはありません。
父の両親に仕送りをしないとならない事情があって、父も母もお金には大変苦労した人でした。
そんな僕の家では子どもの誕生日にはケーキなどあるわけはなく、唐揚げのおかずが出るという程度のプチ贅沢です。

2つ上の姉と近所で遊んでいたら、ある家の狭い路地に大きなリンゴが落ちていました。
決して綺麗な場所ではありません。
僕たちは「内緒で食べようか」
ということになり、溝にたまっていた雨水で濡れていたリンゴを拭いて二人で半分こしました。
食べ終わってから、「お母ちゃんには内緒な」と姉が言って、なんか秘密を共有したわくわく感を持ったのを覚えています。

言ってから「しまった!怒られる」と思いました。
落ちているものを食べるなんてみっともない!
と。
ところが母は何も言わず黙っていました。
あれ?変だな・・・
と思ってそっと母を見ると
泣いていたのです。
子どもだった僕は、なぜ母が泣いているのかわからず、ただ怒られずによかったぁと思っただけでした。
そんな貧しかった時代にイモはよく食べていました。
ただ、家で蒸かしたイモはまったくおいしくありません。でも、腹を減らした子供にとってはイモと牛乳の組み合わせはそれなりに絶品でしたけど。
忘れられない味は、軽トラで売りに来る焼き芋です。
笛を鳴らしながら「や~きぃ~イモ~」と言って夕方から夜に近所をゆっくり回るのです。
※これが分かる人は僕と同年代ですね(^^♪

そんなものはめったに買ってくれませんでした。
そのイモは焼焦げが適度にあって、中はじっくりと焼いた後に熟成していてとても甘いのです!
子ども心にも、家で作る焼き芋とは全然味が違うのでどうやって作るのだろか、と不思議でした。
鹿児島県霧島市のヤキイモ
それから数十年後。
去年の12月、駆け込みで「ふるさと納税」を申し込みました。
一つに「鹿児島県霧島市のヤキイモ」を購入したのです。
いろいろ軽トラの屋台で買って、ことごとく味に裏切られた経験から、僕は正直全く期待していませんでした。
ところが!
なんと!
あの頃の味と出会えたのです!
まさにスイーツと言ってよいほどの甘みと柔らかさ!
皮の「焦げ」の香ばしい心地よい苦さが、絶妙な関係を作っています。

あのうまさは特別の製法で作り上げているのでしょうか。
霧島市で産出される紅イモならではの風味なのでしょうか。
最近はそんなことを考えて、次は生の紅イモを買って自分で作ってみようと考えています。
すでに一番甘みのでる作り方も勉強済です。
余談ですが、イモって、腸の動きにとっても良いですよ。
便秘気味の家族が「これはいい!」と絶賛しています。
僕もそう思います。
便秘で悩んでおられる方、コーラックやヨーグルトより良いと思います。










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